会員募集 ご寄付 お問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています
グリホサートは安全だけど、ラウンドアップ(主成分はグリホサート)は毒性の強い界面活性剤などが使われており、危険なのでしょうか
ラウンドアップ類似製品(※1)にはどれも除草作用があるグリホサートと、その働きを助ける界面活性剤などが入っています。ラウンドアップ類似製品の種類は多く、2012年にヨーロッパで登録されたものだけでも2000種類を超え、そして、それらに添加される界面活性剤の種類は製品によって異なります。
では、ラウンドアップに添加されている界面活性剤は本当に危険なのでしょうか。
「英国メネージ教授らの除草剤に含まれる界面活性剤に関する論文」で確認してみましょう。界面活性剤の培養細胞に対する毒性を試験管内で調べた研究です。
第一世代のラウンドアップに含まれていたPOEAと呼ばれる界面活性剤の毒性については、グリホサートの毒性より強かったことが確認されています。しかし、1990年代中期から毒性が約100分の1の界面活性剤に変更され、安全性が高い界面活性剤に置き換えられたとの結果が出ています。つまり現在は、グリホサートより毒性が強い界面活性剤は使用されていないのです。
よって、「完成品のラウンドアップは有効成分のグリホサートより100倍以上毒性が高いことがある」という記述は完全な誤りです。
※1:ラウンドアップは製品名。「ラウンドアップ」は特許が切れたので、多くの企業がほぼ同じ成分の製品を違った名前で販売している。それらをここでは「ラウンドアップ類似製品」と呼ぶ。
※2:出典 R Mesnage, C Benbrookb, MN. Antonioua. Insight into the confusion over surfactant co-formulants in glyphosate-based herbicides.
https://doi.org/10.1016/j.fct.2019.03.053
※週刊新潮ファクトチェックより