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EU「有機農業政策モデル」内部で反省と見直しが議題に

食と農のウワサ

日本政府がEUの「有機農業政策モデル」(Farm to Fork Strategy)を真似た法制化を進める一方、当のEUでは反省と見直しが議題に上がっている。EUでの見直しの動きを浅川芳裕氏が翻訳・抜粋したX(旧ツイッター)の投稿をもとに紹介する。

EU農産理事会・議長国チェコ代表の正論

EU農産理事会の議長国を務めるチェコ代表は、「農業政策『Farm to Fork Strategy』を忘れ、食料増産に注力しよう」と提言した。その理由として「(農薬・肥料を制限する)戦略は食料減産を目標として掲げているから」と正論を述べている。

欧州委員会の報告書は「農業政策『Farm to Fork Strategy』」を実行すれば、EUの食料供給は全体で10%減少し、肉類では最大15%減少する」と結論づけた。その主要因として「(有機農業を推進する)脱炭素政策より減産リスクが高まる」ため、その結果「食料貿易の脆弱化(=食料輸入の増加)につながる」と警鐘を鳴らした。

最善の答えはEU内の資源を最大活用した「増産」

チェコ代表は「EUの食料増産は、地政学的にも重要な意味を持つ」とも指摘している。

ロシアのプーチン大統領の偽情報戦「EUの対ロシア制裁が世界的食料危機の原因説」などのプロパガンダに対抗せず、「EUが(その農業戦略通りに)減産すれば、EUが世界的な飢餓の原因であると本当に見なされてしまうだろう」そして「実際、食料危機はプーチンに厳しく対応しすぎたEUの責任という都市伝説がアフリカ、アジア、南アメリカの一部で定着しつつある」と警告した。

そのうえでチェコ代表は次のように強調している。

「我々がやるべきことは、EU内の(農業・生産・技術などの)資源を最大限に活用すること」と述べ、「飢餓が蔓延している地域に対して、EU産と表示された食料品を送り込むことこそ(EUの農業・食料政策にとって地政学的にも)おそらく最善の答えである」

 

編集

AGRI FACT編集部

 

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