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農家が実践している、農薬を減らすテクニック【落ちこぼれナス農家の、不器用な日常】
「農家はどんなテクニックを使って農薬を減らしているの?」」
「家庭菜園でもできそうなものを教えて!」
消費者の方の中には、このような疑問をお持ちの方もいるかと思います。
ということで今回は、
「農家が実践している、農薬を減らすテクニック」を、
農家の僕ナス男が厳選して8つ紹介します。
家庭菜園の方でも出来るモノもありますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
①IPM
IPMとは、総合的な防除のことです。
農家は何でもかんでも化学農薬を使っているわけではありません。
● 物理的に害虫を寄せ付けずに
● 病気に強い品種を使い、
● いざとなったら農薬を使う
という感じで、あらゆる方法で農薬を減らす努力をしています。
IPMは難しそうに感じますが、実は家庭菜園でも出来ます。
● 防虫ネットで害虫を寄せにくくして、
● 病気に強い品種を選び、
● いざとなったら農薬を使う
例を挙げればこんな感じです。
意外と簡単なので、ぜひ家庭菜園で試してみてください。
②天敵昆虫を利用する
害虫を捕食する天敵昆虫の利用も、施設野菜農家の間ではかなり増えてきています。
僕が利用しているのは、タバコカスミカメです。
ナスの2大害虫のコナジラミとアザミウマを捕食し、殺虫剤の散布回数の削減に貢献してくれています。
天敵昆虫については別の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
③畑の周りを除草する
畑の周りを除草して、作物の周りに雑草を生やさないことも減農薬の大事な作業です。
雑草は害虫の宿り木になり、そこから作物に飛び移ります。
宿り木となる雑草がない状態を保つことで、害虫被害も軽減できます。
僕のナス栽培の場合、ハウス内は雑草はほぼないですが、ハウス周りは雑草が生えているので除草は必ずします。
ハウスの中には害虫は入れなそうに感じるかもしれません。
しかし入り口が空いている隙に風に乗って飛び込んでくるので、ハウス周りに害虫の宿り木はなるべくない状態にしています。
④輪作する
輪作とは、1つの畑でいくつかの作物を順番に繰り返し栽培していく栽培方法です。
同じ科の作物を何回も続けて作ると、微生物や肥料成分のバランスが崩れて病気になりやすくなります。
この連作を防ぐために、同じ科の連作はせずに違う作物を植えることで、連作障害を避けることが出来ます。
家庭菜園の方でも使えるテクニックですので、ぜひ試してみてください。
⑤緑肥を蒔く
緑肥とは、作物を育てる前に栽培し、腐らせずに緑色のまま土壌に入れて耕す植物のことです。
ソルゴーやマリーゴールド、ヘアリーベッチなどの種類があります。
緑肥を撒くことで連作を避けることができ、病害虫の予防に加えて土質の改善にもつながります。
農家としても緑肥は雑草よりもコントロールしやすく、肥料の削減も期待できるのでよく利用されています。
⑥土壌分析する
土壌分析とは、土中の肥料バランスなどを計測することです。
作付前に土壌分析をして土壌の状態を確認することで、適切な肥料量の投入ができ、無駄な肥料の投入も減らせます。
肥料成分が過剰な「メタボな土」は、病気にかかりやすい状態でうまく作物が育たないこともあります!
健康な状態の土なら病気も少ないですし、無駄な肥料を減らせるので、多くの農家は作付前には土壌分析をしています。
⑦毎日観察して初期に対処する
拍子抜けするほど地味ですが、毎日観察することが農薬を減らすのには特に大事です。
毎日観察することで、作物の小さな虫食いや病気を初期に発見して対処することができます。
家庭菜園の方の中には、
「ちょっと虫食いや病気があるけど、このくらいならいっか。増えてきたら一網打尽にしてやろう…」
と、考えてしまう方もいますが……この考えが命取りです!
ゴキブリがそうであるように、害虫も1匹いたら100匹いると思ってください!
きれいに一網打尽にできるような農薬はありません。
少しでも残ってしまえば、またそこから一気に増えていきます。
とにかく初期に対処することが減農薬につながることを、農家は身に染みて理解しています。
初期の被害が少ないうちに対処できれば、その後の防除は楽になりますので、ぜひ家庭菜園でも実践してみてください。
⑧日記を書く
日記を書くことは、僕のおススメの減農薬テクニックです。
過去の生育状況や病害虫の発生時期などを記録することで、事前に予測も立てることができますし、初期に対処しやすくなります。
家庭菜園の方で、
「日記を書くのは面倒!」
という方は、スマホで撮影してSNSなどに投稿しておくのもアリでしょう。
継続して投稿していくことで経験値も貯まりやすいですし、何より楽しいですからね!
まとめ
今回は、
「農家が実践している、農薬を減らすテクニック」
を8つ紹介しました。
特に⑦毎日観察して初期に対処することと、⑧日記を書くことは派手なテクニックではないですがとても効果的です。
結局地味でコツコツやる作業が、一番効果的で本質的な仕事でもあるんですよね。
参考になったことがあれば、ぜひ家庭菜園でも試してもらえればと思います!
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