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ラウンドアップ誹謗中傷のSNS投稿者複数を農薬メーカーが提訴【ニュース】
日本向け除草剤「ラウンドアップ」の製造・販売を行う日産化学株式会社(本社:東京都中央区)は、同社およびラウンドアップ製品に対するインターネット上の誹謗中傷に関連し、複数の投稿者に対して損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
日産化学は今後も偽・誤情報に「断固とした対応を取る」
日産化学農業化学品事業部ラウンドアップ営業部が運営する公式SNSアカウント(X)が2025年4月11日、「当社およびラウンドアップへの誹謗中傷に対する法的措置の一環として、ネット上で虚偽情報の発信を行った複数の投稿者に対し、損害賠償請求の訴訟を東京地裁に提起致しました」と投稿。複数の投稿者を提訴したことを明らかにした。
同社が日本市場で販売する「ラウンドアップ」の有効成分グリホサートは、国内の食品安全委員会をはじめ、米国環境保護庁(EPA)、欧州食品安全機関(EFSA)など世界150カ国・地域の公的機関により「適正な使用条件下で人体への健康リスクはない」と評価され、使用が認められている。日本では農薬登録制度のもと厳格な安全審査を経て、農業現場で広く利用されている。
しかし近年、SNSや動画投稿サイト等を中心に「発がん性がある」「土壌を汚染する」「発達障害の原因」などといった、科学的根拠のない投稿や動画、記事が繰り返し発信されている。今回の日産化学による提訴は、インフルエンサーたちによる悪意ある「偽情報」と、その偽情報を鵜呑みにして間違いとは知らずに拡散される「誤情報」への対応として位置づけられる。
企業がSNS上の投稿者に対し、名誉毀損や業務妨害を理由に損害賠償請求を行うケースは増加傾向にある。日産化学は今後も偽情報や誤情報に対して「断固とした対応を取る」との強い姿勢を示している。