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【動画】農薬の登録審査用試験における“利益相反”とは? 【東京大学名誉教授の唐木英明先 生に聞きました!】

食と農のウワサ

 

渕上 (新たに開発された農薬の)ADI=一日摂取許容量を決める、(ADIの基準となる)無毒性量を決める(登録審査用の)試験は、一体誰がやっているのでしょうか?

唐木 この試験をやるのは、農薬の場合はほとんどが農薬を開発した会社の研究所がやっています。

渕上 会社の研究所ですか? 作っている人が?

唐木 作っている会社の研究所ですね。それからもう一つは、大学の研究者も農薬の試験をしていますけれども、その研究費はほとんど農薬の会社から出ています。

渕上 作っている側が試験をしている。その仕組みは、大丈夫なんでしょうか?

唐木 そうですね。これを利益相反と言いますが、利益関係のある人が試験をしている。ということで、その試験の内容が本当なのか? というところが疑われるところ。

渕上 それが一番気になるところ。(陰謀論の根拠!?)

唐木 しかし、農薬を開発するのは会社の仕事ですから、その仕事を誰か無料でやってくれと言っても、誰もやってくれません。

渕上 確かにそうですね……。

唐木 ですから、農薬の会社が自分のお金で試験をするしかないんですね。ただ、そのデータを審査するのは、農林水産省の委員会(と食品安全委員会)ですけれども、その委員会が、そのデータを全部取り寄せて非常に厳しい審査をします。そのデータが正しいかどうか? しかもそのデータにおかしいことがあったり、あるいは、不足があったら追加の試験をやりなさいと農薬の会社に命令して、そして、データをもらって審査をします。

渕上 なるほど。では、メーカーやメーカーの研究機関が行った試験に、もし間違いがあった場合、メーカーはかなり困ったことになってしまう?

唐木 そうですね。それで、農薬が商品にならなければそれまでにかけた何十億というお金がパァーになってしまう。

渕上 何十億!!!

唐木 だから、農薬メーカーも必死になってデータをきちんと出す。それを農林水産省の委員会が非常に厳しく審査をする。そういう形で、いわゆる利害関係者が作ったデータというマイナスが無いように仕組みを作っています。

渕上 メーカーも自分たちの作った農薬を認めさせたいからといって、データやデータを取るのに適当なことがあったら自分たちがかえって困ってしまう?

唐木 インチキがあったらほとんどの場合委員会でわかります。そうすると、おかしいところがすぐ指摘されます。そして追加の試験も要求されます。そうすると、また何ヵ月とか、何年もかかります。だから、データを出す方も、なんとか全てのデータを正しく出すように努力をしています。

渕上 なるほど。農薬を世に出すというのはメーカーもものすごく大変なんですね。

 

結論 登録審査用の試験をしているのは農薬会社。しかし、データのインチキは厳しい審査で見破られる

【参考】

 

回答者

唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授)

聞き手

渕上桂樹(AGRI FACTコラムニスト、農家BAR NaYa/ナヤラジオ)

 

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