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ラウンドアップ裁判で被告バイエル社勝訴の初判決下る【ニュース】
米国のがん患者が除草剤ラウンドアップ(有効成分グリホサート)の製造元バイエル社(旧モンサント社)を訴えている裁判ではこれまで原告勝訴の判決が下ってきた。しかし今回、子どもが発症したがんに関してバイエル社を提訴し、和解の枠組みから外れたカリフォルニア州の訴訟で、2021年9月に被告バイエル社勝訴の一審判決が初めて下った。
10月5日のロイター(出典1)によると、 カリフォルニア州の陪審員は除草剤ラウンドアップが子どものまれながん(非ホジキンリンパ腫)の実質的な原因ではないことを認め、ラウンドアップががんを引き起こすと原告が主張する裁判に被告のバイエル社が初めて勝訴したと、同社が明らかにした。原告のクラーク氏はバイエル社が所有するモンサントを、ラウンドアップ使用による発がん性リスクを警告しなかったとして訴え、息子が家族の住居で雑草に散布したラウンドアップに曝露された結果、がんを発症したと主張していた。バイエル社は声明の中で「この判決はラウンドアップの主成分であるグリホサートの安全性を示す数十年にわたる科学と研究と一致している」と述べた。
このクラーク裁判の判決に関する裁判所の公開議事録(出典2)によると判決は、
「モンサントは、製品やラベル内容について、変更が必要となるようなエビデンスを持っていなかった。EPA(米国環境保護庁)から発がん性の警告を入れるような要請もなかった。EPAは2019年にカリフォルニア州に対して、消費者をミスリードするような(発がん性を警告する)ラベル案を止めるように要請している」。以上の理由により、連邦法優先の規定に従い、原告の訴えは退けると結論づけた、としている。今後のラウンドアップ裁判が科学にもとづいた法廷論争に移る契機の判決となるか注目される。
出典
1.バイエル社、子供の癌に関する訴訟で初のラウンドアップの陪審員評決を獲得
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/bayer-wins-its-first-roundup-jury-verdict-case-childs-cancer-2021-10-05/
2. クラーク裁判の判決に関する裁判所の公開議事録
https://usrtk.org/wp-content/uploads/2021/08/Clark-v-Monsanto-motion-for-summary-judgment.pdf