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4. 環境への影響が生じないように、農薬の使用基準が定められている【農薬をめぐる重要な10項目】

食の疑問に答えます

環境への安全性評価のために、土壌、水、大気などの環境や動植物への影響、環境中の水を介したヒトへの影響の可能性や分解性などが審査されています。生物への安全性は、魚類や甲殻類、藻類を用いた試験、カイコ、ミツバチ、天敵昆虫などの有用昆虫や、ウズラやマガモなどを用いた毒性試験などを行って審査します。誤った利用を防止するために、使用する作物、使用方法や用量、使用時期、頻度などを守ることが使用者の責務として決められています。
土壌への影響は、土壌中での分解や消失に関する試験を行って審査しています。使用基準を守って利用すれば、数年連続して使用しても、土壌中の濃度は1回だけ使用した場合の2〜1.33倍を超えなかったと報告されています。


農薬の登録をするとき、土壌、水、大気などの環境や動植物への影響、環境中の水を介した人への影響の可能性や分解性などが審査されます。また、環境への影響が生じないよう農薬の使用基準を定め、その遵守を義務付けています。

(1)生物への影響

環境中の生物に対する農薬の安全性は、各種試験によって確認されています。たとえば、魚類や甲殻類、藻類を用いた試験、カイコ、ミツバチ、天敵昆虫などの有用昆虫や、ウズラやマガモなどを用いた毒性試験などを行い、その結果を農薬の使用上の注意に反映しています。しかし、使用者が農薬を川や沼などへ直接投棄したり、間違った使い方をしたりして水系に大量に流れ込んだりすれば、生態系に影響を与えることが考えられます。そこで、農薬取締法にもとづく使用基準では、適用対象外の作物には使用しない、使用方法や用量、使用時期、使用回数など生活環境に悪影響を及ぼさないように、農薬を適切に使う責任が使用者にあることが 明確に示されています。

(2)ゴルフ場における農薬使用の適正化

かつて、ゴルフ場で使用される農薬が社会問題として大きく取り上げられたことがあります。この問題を契機として、農薬の使用現場から飲料水までの工程にわたる水質の監視や指導の体制が整い、農薬がより適正に使用されるようになりました。都道府県知事は、ゴルフ場で使用された農薬が河川や海を汚さないように「ゴルフ場農薬適正使用要綱」(防除指針、防除マニュアル)を定めており、ゴルフ場はこの要綱に従って芝生を管理しています。現在は、ゴルフ場で農薬が水質基準を超えて検出されることはなく、ゴルフ場で使われた農薬が水源や川、海を汚染しているという事実はありません。

図2-1 半減期が1年と180日の農薬を1回/年施用したときの土壌中の農薬の濃度
散布時は縦軸の「C0」に該当する。
(食品安全委員会「農薬評価書 土壌残留に係る農薬登録保留基準の見直し」より作成)

(3)土壌の農薬は分解される

散布された農薬は、作物体に付着・吸収しなかったものは地表に落下します。地表面に落下した農薬は土壌表面では太陽光などにより分解され、土壌中では、微生物の作用などにより分解されて、消失していきます。落下した農薬が土壌に蓄積して悪影響を及ぼすことがないように、農薬の登録では、農薬の土壌中での分解や消失に関する試験が義務づけられています。土壌中で農薬の最高濃度が半分にまで消失する期間(半減期)を算出し、半減期が180日を超えるものは、登録されません。なお、これまでの研究から、連続して農薬を使用しても、土壌中の農薬の量は処理した回数に比例して増加するのではなく、比較的すみやかに一定のレベルに落ち着くことがわかっています。たとえば、土壌半減期が1年の農薬(図2-1 左)と180日の農薬(図 2-1 右)を毎年1回ずつ数年連続して使用したとしても、土壌中における農薬の濃度はそれぞれ1回使用の場合の2.0 倍あるいは1.33倍を超えることはありませんでした。

※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ 農薬編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。

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