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コラム2 農薬の一生【農薬をめぐる重要な10項目】
農薬の開発には、非常に長い年月と多額の費用がかかります。新規化合物が発見されてから、市場に出すまで 一般的には10年以上、費用も40億円から50億円はかかります。しかも、新規化合物のうち、製品化されるのは、新規化合物の5万分の1以下にすぎません。
一次スクリーニングで有望な新規化合物が見つかると、続いて詳細な効果についての試験、作物への薬害の試験、ヒトなどの哺乳類や水産生物、有用生物への影響、環境中や作物中での分解性などの各種安全性試験、大量生産する技術の確立、製剤の開発などが必要です。さらに、農薬登録のための多くの試験を行い、農薬登録の審査にパスしてやっと農薬が農家の手にわたります。
農薬登録の有効期間は3年で、再登録の手続きをしなければ失効します。登録に必要な試験項目が追加された場合は、追加データの提出が義務づけられており、常に最新の基準で安全性の審査が行われます。市場に出た後も、農薬が適正に使用されるよう管理されます。使用者への指導や農薬の使用状況や残留状況の調査が定期的に行われます。
農薬の開発は、製品化したら終わりというわけではありません。安全で衛生的な食品が食卓に上るように、ずっと管理されるのです。
※この記事は、NPO法人くらしとバイオプラザ21発行の「『メディアの方に知っていただきたいこと』シリーズ 農薬編」を許可を得た上で転載したものです(一部AGRI FACTが再編集)。