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『週刊新潮』(2020年5月7・14日ゴールデンウイーク特大号)掲載 グリホサート/ラウンドアップに関する記述を徹底検証4

食と農のウワサ

週刊新潮(2020年5月7・14日ゴールデンウイーク特大号)に、『特集「食」と「病」』最終回の記事が掲載されました。その中のラウンドアップ及びグリホサート(ラウンドアップの有効成分)について、科学的事実に反する記述が数多く見られました。そこで個々の内容についてQ&A形式で検証し、科学的エビデンスに基づき反証していきます(Qのカギ括弧内は記事からの引用・抜粋)。

Q アメリカでは食品中の残留農薬の関心が高く、グリホサートがいくつかの作物で検出される可能性があると警告しており、日本の農水省の姿勢とは異なるという記述※がありますが、大丈夫でしょうか?

※記述の原文(抜粋):アメリカでも食品中の残留農薬に関心が高いようで、非営利の環境保護団体、環境ワーキンググループ(EWG)は、『農産物に含まれる農薬に関するEWG消費者ガイド2020』という報告書を出している。「グリホサートを検出対象にしていません」と書かれているが、そのあとに、「しかし、この農薬の収穫前乾燥剤としての使用が増えているため、高レベルで、オート麦やひよこ豆など、いくつかの穀物や豆類で検出される可能性があります」と警告している点が、日本の農水省の姿勢とは大きく違う。

A 日本の農林水産省と、アメリカの「非営利団体」の姿勢を比較することに意味があるのでしょうか。意味のある比較をするなら、農水省と同格といえるアメリカの公的規制機関の見解との相違をチェックするべきです。

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)及び国家毒性プラグラム(NTP)は、グリホサートを「ヒトの健康に対してリスクはない」、「微量はヒトの健康に影響があるものではない。子どもがグリホサートに敏感であることを示す兆候もない」との見解を示しています。

日本では食品安全委員会が科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関ですが、こちらも「グリホサートには、神経毒性、発がん性、生殖毒性、催奇形性、遺伝毒性はなかった」と結論付けています。

つまりアメリカも日本もグリホサートのヒトの健康に対するリスクに関しては、同様の見解を示しています。よってこれは、誤った比較を用いて読者を不安にさせる記述です。

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