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本物の科学以外に「偽科学」「未科学」がある – グリホサートの真実とは2【完全版】(vol.6)
生産現場のリアルな声を発信する日本有数の農業チャンネル「トゥリーアンドノーフ」を運営する徳本修一氏が、グリホサート問題の歴史的経緯から背後で蠢くビジネス人脈、科学的評価や対立の解決法まで、食の安全安心の権威・唐木英明氏に聞きまくった1時間。グリホサートの真実とは2【完全版】をAGRI FACT用に再構成してここにお届けする!(vol.6)
本物の科学以外に「偽科学」「未科学」がある
徳本 僕らは素人では科学者の論文が正しいかどうかなかなか見極められないと思います。どういう論文を我々は信じればよいのでしょうか。
どのような論文を信じれば良いのか?
唐木 論文が一つ出たからといって研究者は誰も100%信用したりしません。半々くらいだなと思います。どうしてかというと、論文がないと何も始まりませんけども、論文を読んで大事な内容だと感じた研究者は必ずもう一回同じ実験を行います。これを「検証」と呼びます。他の研究者が検証をして再現性があるとなれば、最初の論文はようやく正しい(らしい)と認められます。この検証が何回行われ、再現性がより確実になるかによって、最初の論文の価値がだんだんと上がっていくわけです。
セラリーニ教授の論文は一回の検証もなされない段階で研究者たちから否定されました。では検証されなかったのかといえば、実は検証されています。何回も検証され、そのすべての検証で否定されました。だからセラリーニ教授の論文は嘘だと科学的に証明されているのです。セラリーニ教授は発がん性実験に不適切なラットを使ったから間違った結論が導き出されてしまったということになっていますけれども、私はむしろ意図的な「偽科学」だと考えています。その他に科学には論文も何にもない「未科学」というものもあります。これは単なる評論で、先ほど紹介したセネフ博士の言説はこの未科学の世界ですね。彼女が提唱する言説がいかに間違っているのかは、AGRI FACTで詳細に検証されています。
さらに理解を深めたい場合は
みなさんはセラリーニ教授やセネフ博士も科学者だと思うかもしれませんが、正しい科学、健全な科学をやっている人が本物の科学者であって、間違い科学や偽科学が世の中にはたくさんあり、これは検証で見つけられます。偽科学や未科学は科学ではないのです。論文が出たからといって、内容をすぐに信じてはいけません。
徳本 グリホサートの安全性に関しても、検証に耐えられない危険性を提唱する論文がある一方で、公的機関が何度も検証して安全性が科学的に保証されているという理解でよろしいのですね。
唐木 そのとおりです。ラウンドアップの有効成分グリホサートは40年にわたって800以上の試験が繰り返されてきました。つまり800回検証が繰り返されたということで、安全性が証明されてるわけです。その中でセラリーニ教授が「発がん性がある」という論文を一つ出しても、この800の検証に耐えた重み・価値は揺るがないのです。ですからグリホサートに発がん性がないというのは、科学的に揺るぎない事実であると言えるのです。
グリホサートの真実とは<2> -「食の安全」の世界的権威に聞いてみた!〜完全版