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【動画】「国際機関の暴走を止める方法 アメリカの場合」@24/11/22 AGRI FACT特別セミナー08
2024年11月22日に開催されたAGRI FACT編集部主催の【特別セミナー】「グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題 ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~」。ここでは当日のパネルディスカッションの模様を編集し、その要諦を公開していく。第8回は、「IARCは今後どのようになっていくのか?」についてです。
質問 IARCにはよろしくないメンバーが入り込んで、政治的、ビジネス的に利用しているように思います。この組織は今後どのようになっていくのですか? 正常化するのでしょうか? WHOですら怪しくなっているように思います。
唐木 例えば、国連の常任理事会が機能していないというのは、もう皆さんご存知の通りです。じゃあ、常任理事会がいらないのかというのではなくて、運営の仕方が悪い。ということがWHOでも、あるいはFAOでもいろんなところで起こっているのではないかと思います。
それでは運営をどういうふうにしたら変えられるのか? これはある意味それほど難しくない。というのは、日本をはじめ、多くの国がたくさんのお金を出して、そして運営をしているわけですね。お金を出しているということは発言権があるはずです。
ですから、日本の我々が、日本の政府に対して、きちんと意見を伝える。日本の政府が、それを国際機関に伝える。そういう道筋が機能をすれば、国際機関の正常化はできるんだろうと私は思っています。
浅川 関連してAGRI FACTの編集部からも、この今の質問の補足といいますか、回答の補足になる情報があります。
これはアメリカが取った手段なんですけども、アメリカ議会がですね、国際がん研究機関への拠出金の停止、または大幅削減提案をアメリカの科学委員会でしてます。その理由としては1、2、3、4、5、6ですね。6個の理由を挙げてます。これはちょうどケランド先生が書かれた後ですね。だから、IARCの実態が分かった後に、アメリカ議会も、アメリカの議会がいうには、1つ目がIARCは「粗悪な科学」を使っていると。政治目的・利益のために科学的に不十分な研究を利用している。
次が「成果の欠如」。研究が公衆衛生に貢献した証拠は見当たらない。非常に厳しい意見ですね。で、「透明性の欠如」。作業草稿、ドラフトですね。ドラフトの保管や公開はされておらず、科学的基準や政府の税金の監視を回避。
これはアメリカ政府が、「このグリホサートに発がん性があるとどういうふうに判断したのか? プロセスを見せろ」って言っても、回答しなかったと。アメリカ議会で言っても回答しなかったということです。
で、次が「活動家の利用」として、IARCの報告書が、国民の恐怖を煽る目的で利用されている。ということで、活動家に利用されていると。あとそうしたことにも関わらず、アメリカの税金が利用されているということで、IARCがアメリカの資金と科学者の専門知識に依存しながらも、透明性の基準に協力をするのを拒否したと。議会に、さっきお話があったポリティエさんですかね? 呼ばれたけども拒否したということです。
で「責任の欠如」ということで、国連の機関が資金提供国に対して責任を負わない時代は終わったと。結論としては、アメリカの納税者は、IARCへの資金提供を続けるべきではない。というような、アメリカの上院の科学委員会の審議された内容です。
ちょうど2017年、18年に盛り上がったんですけど、政権交代で民主党政権になり、一回この話はなくなくなったと……。でもまた今回、上院、下院、あと大統領のポジションとってますね。もしかしたら、新たなこういった提案が出るかもしれません。
第9回に続く