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【動画】甘味料アスパルテームに発がん性はない 唐木英明氏(東京大学名誉教授)@24/11/22 AGRI FACT特別セミナー
2024年11月22日に開催されたAGRI FACT編集部主催の【特別セミナー】「グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題 ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~」。当日登壇した唐木英明氏(東京大学名誉教授・食の信頼向上をめざす会代表)の基調解説動画を編集し、その要諦を公開していく。第2回は、甘味料アスパルテームについてです。
唐木 国際がん研究機関(IARC)は、論文を集めて、可能性を4段階に分けてます。ここは3段階までしか書いてありませんが、グループ1というのは「ヒトに対して発がん性がある」。グループ2というのは、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」。グループ2Bというのは、「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と。それからグループ3というのは、「分類できない」とあるのですが、ここでは書いてありません。(甘味料)アスパルテームは、このグループ2Bというのに分類をされたということです。
同じグループ2Bには「漬物」とか「わらび」、それから最近話題になってる「PFOS」も入っている。そんな分類です。
アスパルテーム、これまでの研究というのを見てみると、いろんな研究をされてますけれども、世界の100を超える規制機関から使用が承認されている。規制機関から使用が承認されているということは、「100%安全が確認されている」。ここで安全が確認されなければ、使用は許可されないということですから、規制機関は安全性を認めているということです。
にもかかわらず、IARCはなぜグループ2Bにしたのかというのが問題になったということです。
このアスパルテームを巡る問題というのはもうずいぶん昔からありまして、2005年頃からイタリアにRamazzini研究所という有名な研究所があります。これは我々の仲間の中では非常に有名な研究所ですが、なぜ有名なのかというと、研究の内容が非常に偏っている。我々が見ても「おかしい」という結果をたくさん出してきている。そういう意味で有名な研究所というところですが、そこがアスパルテームに発がん性があると繰り返して発表して、消費者に不安が広がった……ということがあります。
ところが、これに対して2008年以降、アメリカ環境保護庁(EPA)とかヨーロッパ食品安全機関(EFSA)、その他多くの研究機関の検証によって、アスパルテームに「発がん性がない」ということと、もう一つはRamazzini研究所で使っていたラットは、マイコプラズマ肺炎にかかってる症状が認められるということがわかりました。こういったラットを実験に使った。その結果、出てきたいろんな症状が肺炎の症状なのか、試験物質の症状なのか、さっぱりわからない……ということで、この試験は全く信用ができないということが言われています。
ところが、にもかかわらずIARCは、アスパルテームはグループ2Bというふうに評価をしたというようなことが行われたと。
第3回に続く
登壇者唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授) |