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米国のラウンドアップ裁判でも、カリフォルニア州の裁判所が発がん性を認めたのではないですか?
A 米国の裁判では、カリフォルニア州で提訴された「ジョンソン対モンサント裁判」や、農業従事者の夫婦ががんの原因がラウンドアップだとしてモンサントを訴え20億ドル(その後大幅に減額)の賠償判決が出た裁判など、勝訴判決が下されているのは事実です。
原告側弁護士の巧みな法廷戦術
しかしこれらの判決は、原告側弁護士の巧みな法廷戦術によって陪審員がIARC報告を発がん性の証明と誤解をした結果であり、科学的な知見に基づく判断ではありません。
そもそも原告側勝訴の裁判は民事訴訟ですから、訴えた患者側と訴えられたモンサント側のどちらの言い分が正しいかを51%対49%の心証割合で判断します。刑事事件のように99%の有罪立証は必要ないのです。
その基準にそって、個人の観察力と倫理観(感情)で判断したものです。陪審員は患者側とモンサント側の言い分のどちらが信じられるのかを判断したのであり、ラウンドアップの発がん性について判断したのではないのです。
また、別の米国裁判所の判決ではラウンドアップの発がん性リスクは証明されていないという判決も下されています。
回答者唐木英明(公益財団法人食の安全・安心財団理事長・東京大学名誉教授) 回答日2019年10月26日 |
注:商品名『ラウンドアップ』の有効成分名は「グリホサート」と言い、Q&Aでは2つの名称をその都度使い分けていますが、実質的には同じものだとご理解ください。