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農薬の残留基準値0.01ppmを使った「基準値超え」情報に注意

食の疑問に答えます

「食品への農薬の残留が基準値超え!」というショッキングなニュースを目にすることがあります。もちろん基準値を超えていたことが発覚した場合、流通・販売の禁止をはじめ原因の究明や適切な管理が必要です。ただし、一律基準の0.01ppmが基準値に用いられている場合は、情報の取扱いに気をつけましょう。

ポジティブリスト制で初めて一律基準を設定

2003年5月の食品衛生法の改正によって導入されたポジティブリストとは、すべての食品の残留農薬を規制する農薬制度です。
ポジティブリスト制度導入前は、283種の農薬などに残留基準が定められており、それ以外の基準のないものについての流通は規制されていませんでした。そのため、食品から残留基準が設定されていない農薬が検出されても販売を禁止できなかったのです。

しかし、ポジティブリスト制度導入後は、すべての農薬に残留基準が定められ、その基準値を超えた食品の販売などが原則禁止されました。約800種類の農薬に暫定基準(国際基準であるCODEX基準や国内で環境大臣が定める登録保留基準、先進諸外国の基準を参考にして設定)が設定され、登録がないなど残留基準がないものは、一律に0.01ppmという基準が採用されるようになりました。国内のみならず外国で使用されている農薬や過去に使用された農薬などすべての農薬が規制対象になったわけです。

一律基準値0.01ppmとは

残留基準は、農薬が残留する食品を長期間に摂取しても、高濃度の農薬が残留した食品を短期間に大量摂取しても人の健康に悪影響を及ぼすおそれのないことを確認して設定されています。農薬登録がないものや外国で使用されている農薬などの理由で基準が設けられていない作物には、一律基準(0.01ppm)を適用します。

一律基準の0.01ppmは、薬事・食品衛生審議会農薬・動物医薬品部会において「許容される摂取量」、「暴露量」について、国際的な評価機関のデータ、国内ですでに評価されている農薬等のデータ、食品摂取量を踏まえて設定されました。

ポジティブリスト制度を導入している他国の一律基準は、ドイツでは日本と同様の0.01ppm、カナダ、ニュージーランドでは日本より多い0.1ppmが設定されています。米国では一律基準は定められていませんが、運用上は0.01~0.1ppmで判断するとされています。また、同制度の導入が決定されたEUにおいても0.01ppmという一律基準が設定されています。つまり、国内の0.01ppmは他国の基準と同等または厳格だと言えます。

一律基準超え即危険とは断言できない

健康を損なうおそれのない微量の農薬等の残留値を一律で0.01 ppmと設定しているので、少し超えたからといってすぐさま全てが危険な食品であると断言することはできません。ただ本来、食品に残留しないはずの農薬等が残留している事態が発生している場合、原因の究明や適切な管理を行わなくてはいけません。

ポジティブリスト制度、残留基準値について詳しくはこちら



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