寄付 問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています

「国産小麦以外、パン、天ぷら粉、スパゲッティといった小麦粉製品の五割からグリホサートが検出される」「輸入小麦から猛毒」と聞きました。国産小麦製品以外は食べてはいけないということですか。

食の疑問答えます

人が一生涯に渡り、毎日摂取しても毒性のない量である「一日摂取許容量(ADI)」というものがあります。同記事で検出されたというグリホサートのADIは、体重1kgあたり1mg/日です。体重60kgの人の場合、 ADIは60mgということになります。

このADIと一日に消費する小麦製品からの検出量とを比較してみましょう。そうすれば、その量が本当に「猛毒」かどうかわかるはずです。

答えは、ADI(一日摂取量)のわずか0.0029%~0.163%となります。

※算出方法
まず、日本人の1日当たり小麦消費量を計算。年間消費量32.4kg(農水省、2018年)÷365日=89g/1日。次にそのグリホサート検出量(推定)を計算。1㎏あたり0.02〜1.10mgの89g分は0.00178~0.0979mg/日。この数値を体重60㎏の人のADI60mgと比較するには、0.00178~0.0979mg÷60mg=一日摂取量の0.0029%~0.163%。

許容量と比べてきわめて微量だとわかりますが、それでも「猛毒」なのでしょうか。

グリホサートだけではなく、化学物質には「用量作用関係」というものが存在します。高濃度では毒性があるものであっても、低濃度であれば毒性は見られない(無害)のが通例です。多くの実験から、グリホサートにもこの原則が当てはまることが科学的に証明されています。

ですから、「猛毒」というのは明らかな誤りで、皆さんを不安にさせる不適切な表現といえます。

参考

※(5月27日追加)週刊新潮ファクトチェックより抜粋(元記事がついておりませんでした。大変分かりにくくて申し訳ございません)

『週刊新潮』(2020年4月16日号)掲載 グリホサート/ラウンドアップに関する記述を徹底検証1

 

関連記事

検索

Facebook

ランキング(月間)

  1. 1

    第1回 冬のお化け 鈴木宣弘批判決定版【おいおい鈴木君 鈴木宣弘東大教授の放言を検証する】

  2. 2

    特集 鈴木宣弘氏の食品・農業言説を検証する

  3. 3

    日本の農薬使用に関して言われていることの嘘 – 本当に日本の農産物が農薬まみれか徹底検証する

  4. 4

    徳本修一(トゥリーアンドノーフ株式会社代表取締役)

  5. 5

    第48回「オーガニック給食実現に向けてみんなでワクチン反対の映画を観よう」みたいな話は全然有機農業のためにならない【分断をこえてゆけ 有機と慣行の向こう側】

提携サイト

くらしとバイオプラザ21
食の安全と安心を科学する会
FSIN

TOP
CLOSE