会員募集 ご寄付 お問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています
「グリホサートはこれ(グリシン受容体)に結合して神経障害を引き起こす可能性がある」「発達障害を引き起こす可能性がある」と言われていますが、科学的な根拠はあるのでしょうか。
これらは科学的にはあり得ない推論です。
こうした主張をする論文、例えば※1は、科学的な実験に基づいているわけではありません。現存する論文から「グリホサートに関連するもの」と「人の病気に関連するもの」を拾い集め、非科学的に関連付けているだけです(※2)。
またその論文自体も、他の論文により検証、否定されています。つまり科学的に認められていない主張です。
この3段論法の論理には間違いがあります。まずグリホサートがグリシンと置き換わるのは、実験室の中での人工的な条件下のみであり、生きている生物の体内で、自然の状態では起こったという研究はありません。さらに彼らは発表されていない論文を根拠としていますが、もしその論文が科学的に正しければ、論文として発表され、他の研究者の検証を経ているはずです。
※1『グリホサート、現代病への経路Ⅴ:多種のタンパク質中でのグリシンのアミノ酸類縁体』
※2
命題①:グリホサートはグリシンというアミノ酸を含んでいる。
命題②:人の体のタンパク質には、多くのグリシンが含まれている。
結論:体内でタンパク質が合成されるときに、グリシンではなくグリホサートがタンパク質に組み込まれると、それが原因で多くの病気が引き起こされる。
参考
※週刊新潮ファクトチェックより抜粋