寄付 問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています
医薬品は製剤で試験がされると聞きましたが、なぜ農薬では製剤ではなく有効成分の試験をするのですか? 医薬品と同じような認可システムにした方が良いのではないですか?
A 医薬品と農薬では使用する場面が違います。医薬品は製剤そのものを人が摂取します。そのため製剤で試験をする必要があります。
一方で農薬は、製剤そのものを摂取することはありません。散布された農薬が残留した作物や水などを摂取する可能性が考えられますが、いずれの場合も残留するのは製剤のままではなく、有効成分です。ただし農薬を散布するための農薬調整時、また誤飲、誤食もしくは意図的な摂取の場面で、農薬そのものを摂取(接触)する可能性が考えられます。そのため、農薬製剤そのものの急性毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、皮膚感作性などの試験が行われています。
注:商品名『ラウンドアップ』の有効成分名は「グリホサート」と言い、Q&Aでは2つの名称をその都度使い分けていますが、実質的には同じものだとご理解ください。
回答者唐木英明(公益財団法人食の安全・安心財団理事長・東京大学名誉教授) 回答日2020年3月20日 |