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第8回 残留農薬を検査する方法は決められているのですか【農薬について知ろう】

コラム・マンガ

農薬の安全性が気になる人の不安を解消すべく、残留農薬を中心に、農薬の使用目的や安全性、検出法などについて、サイエンスライターの佐藤成美がシリーズで解説していくこの連載。第8回では、残留農薬を検査する方法を解説します。

告示法と通知法がある

農薬の種類はとても多く、世界中には千数百種類もの農薬があるといわれています。また、農薬の種類によって性質はさまざまですから、すべてを検査することは不可能です。そのなかで、頻繁に使われているものや高濃度で検出される農薬については、状況を把握することが必要であり、試験法が確立しています。農薬を分析するときに広く使われるのは、厚生労働省から公示された試験法です。これには、告示試験法と通知試験法があります。

農薬は約800種類あり、食品衛生法第11条では、それぞれの農薬に不検出基準、本基準、暫定基準、一律基準などの基準が設定されています。そのうち、不検出基準の農薬には告示試験法が、それ以外の農薬には通知法が使われます。

不検出とは、食品から検出されてはならないということで、15種類の農薬があります。これらの農薬については、告示法で分析し、検出限界以上の値を超えていないことを示す必要があります。なお、検出限界とは、これ以上検出できないという分析できる限界の値のことです。

微量で精密な分析が求められる

不検出基準の農薬を分析するときの検出限界は、0.000005~0.1ppmです。と、いわれてもピンとこないかもしれません。残留農薬の基準値に使われるppmという単位は、part per millionの略で、100万分の1を意味します。重さであれば、1トンに1g含まれていれば1ppmになります。ですから、この検出限界の値は非常に微量な濃度であることが分かると思います。

基準値が定められている農薬での残留基準は、0.0001ppm未満から100ppm以上にわたります。また、基準が定められていない農薬は、0.01ppmという一律基準が定められています。どの基準の農薬を検査するにしても、非常に精密な分析が求められています

1成分か、多成分か

農薬の分析法には、個別分析と一斉分析があります。個別分析とは、農薬成分を1種類ずつ分析する方法です。個々に分析するために、正確で精度の高い結果が得られますが、1種類しか分析できないので効率が悪く、コストもかかります。

最近増えているのは、一斉分析です。これは多数の成分を一度に分析するというもの。分析技術の向上により、一斉分析が可能になりました。迅速で効率的ですが、すべての農薬が分析できるわけはなく、精度がそれほど高くない場合があります。

行政が行う収去検査では、出荷停止や回収を指導するための試験ということもあり、精度の高い個別分析が重視されます。一方、自主検査では、より多くの成分を迅速に検査することや、基準値を超えているか、いないかを確認することが求められるため、一斉検査が行われることが多いようです。

筆者

佐藤成美(サイエンスライター)

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