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IARCの不正・腐敗を暴いた元ロイター・ケランド記者に食の新潟国際賞大賞!
調査報道が明らかにした科学的根拠を無視した除草剤の発がん性評価
2024年7月19日、第8回食の新潟国際賞大賞受賞者の一人に英国のケイト・ケランド氏が決定した。同賞は食と農業分野を対象にした国内唯一の国際賞で、公益財団法人食の新潟国際賞財団が主催している。
(公財)食の新潟国際賞財団 提供
ケランド氏がロイター通信記者時代に行った調査報道は、除草剤「グリホサート」(商品名ラウンドアップ)」に「おそらく発がん性がある」としたIARC(国際がん研究機関=WHOの下部組織)の評価をめぐってIARCの研究者の不正があったこと、IARCが科学的根拠を無視した発がん性評価をしていたことを明らかにし、欧米でのラウンドアップ訴訟やグリホサート承認に影響を及ぼした。
除草剤の使用は合理性を追求する現代農業には不可欠で、各国の農業生産に大きな影響を与える。農業分野での科学的根拠に基づく正確な情報の重要性を調査報道により示した画期的な出来事とケランド氏の功績を高く評価し、世界の食の課題解決に貢献するものとして大賞に選んだ。
グリホサートの評価をめぐるIARCの不正・腐敗を明らかにしたケランド氏の調査報道は、外国報道協会年間最優秀科学記事賞(2017年)、ロイター企業報道年間最優秀記事賞(2018年)を受賞している。
ケランド氏は現在ロイター通信記者の職を離れ、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の首席科学ライターを務め、CEPIの科学的パートナーシップについてのプレゼンテーション、スピーチ、社説、記事を執筆する。
なおケイト・ケランド氏は11月の授賞式に出席するため来日。11月22日には東京で講演会が開催される。