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【動画】「セラリーニ氏のジャンク論文」唐木英明氏(東京大学名誉教授)@24/11/22 AGRI FACT特別セミナー04

食と農のウワサ

2024年11月22日に開催されたAGRI FACT編集部主催の【特別セミナー】「グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題 ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~」。当日登壇した唐木英明氏(東京大学名誉教授・食の信頼向上をめざす会代表)の基調解説動画を編集し、その要諦を公開していく。第4回は、セラリーニ氏のジャンク論文についてです。

唐木 このグリホサート・ラウンドアップについては、もう一つ大きな問題がありました。これは、2012年にフランスのカーン大学にセラリーニ先生という先生がいるんですが、この人がラウンドアップには発がん性があるという論文を出したんですね。これが非常に大きな、世界中で大きな反響を呼びました。

ところがこのセラリーニ先生は、この論文を発表すると同時に映画を作り、それから記者会見をやり、ラウンドアップは癌を起こすんだという大宣伝をやったんですね。

このやり方が科学ではないということで、これも批判されたんですが、一番の問題はこの論文の中身で、論文があまりにひどいんで、この論文を掲載した雑誌はこの論文を取り下げにしました。

でも、すぐ別の雑誌がこの論文をまた掲載してしまったということで、今ネットで見ることができます。

論文の内容を見ると、ここにあるようにラットに大きな乳がんができたという写真、この写真だけで、非常に皆さん驚いて、ラウンドアップでこんな乳がんができたら大変だということになったわけです。

しかしデータを見ると、我々毒性学者から見ると、なんだこれはというひどいデータでして、上の方に赤字で書いてありますが、無処置群、何もしないラット10匹のうち5匹に乳がんができてるんですね。何もしなくて5匹に乳がんができたってどういうことなの?と。それから3行目に書いてあるようにラウンドアップ0.000000011%。要するにほとんどラウンドアップが入っていない、そういう水を与えたら、10匹中9匹に乳がんができたというんですね。

ですから、1番目も、それから3番目も、無処置群と同じで、何もしなくてもがんができるラットを使っていたと。ここで使われたラットは実は、年を取ると、がんを自然発症するラットであって、自然発症のラットをこのラウンドアップでできたんだという風に、言い換えたのがこの論文ということです。

 

第5回に続く

登壇者

唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授)

 

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