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第5回 アメリカ産プレハーベスト小麦で農家が知ってほしいこと【アメリカ産小麦は安全か】
アメリカの農家はプレハーベスト小麦に関する健康悪影響説の拡散を黙って見逃していたわけではない。メリーランド州農家の情報を発信するWebサイト内のブログに掲載されていた、小麦農家の声を紹介する。
ラベルの使用法を守れば安全
アメリカの農家の多くが収穫前に小麦の収穫期を調整する目的でラウンドアップを散布するというのは誤解である。
真実はこうだ。まずメリーランド州の農家が除草剤ラウンドアップ(有効成分グリホサート)を、小麦の収穫前処理剤として使用することはほとんどない。メリーランド州の農家では、春から秋にかけての生育期間が短いアメリカ北部やカナダの春小麦とは異なり、秋に種をまき、自然に乾いて初夏に収穫されるソフト・レッド・冬小麦を栽培している。
「収穫期を変える目的で小麦を乾燥させようとグリホサートを散布する農家は知らない。私たちの冬小麦の品種は、それ自体で成熟し、乾燥するのです。何もする必要はありません」と、メリーランド州プールスビルの農家、エリック・スペイツは言う。
スペイツ氏は自分で作物を栽培する傍ら、メリーランド州穀物生産者利用委員会の役員であるほか、全米小麦生産者協会の全国理事を務め、米国小麦協会で輸出市場開拓の指導と活動に従事してきた。
農薬のラベルは、その用法用量を規定している。農家や業者は、農薬散布者としての訓練を受け、定期的に認定を受けなければならない。ラベルに記載されていない使用法は違法だ。
プレハーベストは小麦作付面積の数%
グリホサートは、青草を乾燥させ、小麦の収穫補助剤として、小麦の収穫前投与に使用する(プレハーベスト)ようラベル付けされている。これは、アメリカで小麦を作付けした全面積の2%未満で使用される珍しい処理である。しかし、通常では不可能な収穫を可能にするために使用することができ、春植えの小麦では時折必要となることがある。この方法で使用する場合、グリホサートは小麦の穀粒が成熟しきって小麦の植物から水と栄養を取り込まなくなった後にのみ適用することが可能で、適用から収穫まで7~14日間の間隔を空けなければならない。
この記事は、アメリカ・メリーランド州農家の情報を発信するWebサイト内のブログ「小麦とグリホサートについて、メリーランド州の農家が知っておいてほしいこと」2017年06月29日 をAGRI FACT編集部が翻訳・編集した。