会員募集 ご寄付 お問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています

種苗法により自家採種ができなくなるのか?

食の疑問答えます

A 自家採種とは、自分で栽培した種もみを使って米の栽培を続けることであり、種子を購入しなくてよい農家にとっては経済的なメリットがある。他方、苦労して新品種を開発した人の権利を守ることも重要であり、種苗法は省令で定められたものについて登録品種の自家採種を禁じている。

平昌オリンピックの時、日本で開発されたイチゴが韓国で無断で栽培されて韓国中に広がっているだけでなく、輸出までされているとして話題になった。国際的なルールでは、新たな登録品種の場合は自家採種が禁止されているのだが、この話題をきっかけに、新品種を守る種苗法の大切さについてはある程度、理解が広まったのではないか。

ただし、省令によって制限されていない品目の自家採種は認められている。また、品種登録されていないものや、登録後25年を経過したものについても、制限を受けない。したがって在来品種のように登録品種ではないものについての自家採種は自由だ。

また、自家採種にはもう一つ問題がある。自家採種を続けると種の性質が変化することだ。例えば最初はコシヒカリだったものが何回か採種を繰り返すとコシヒカリとは認められないものに変化することもある。そのような事態を防ぐには、厳密に管理された原種(種もみ)を使って種子を生産する必要があり、都道府県の役割は引きつづき重要だ。

回答者

唐木英明(公益財団法人食の安全・安心財団理事長・東京大学名誉教授)

  会員を募集しています 会員を募集しています

関連記事

検索

Facebook

ランキング(月間)

  1. 1

    第50回 有機農業と排外主義①【分断をこえてゆけ 有機と慣行の向こう側】

  2. 2

    日本の農薬使用に関して言われていることの嘘 – 本当に日本の農産物が農薬まみれか徹底検証する

  3. 3

    【特別セミナー】グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題  ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~

  4. 4

    【誤り】検証内容「豚のへその緒に(ラウンドアップの主成分グリホサートが)蓄積するということは、人間にも起こりうることを意味する。もし妊娠している女性が摂取すれば、へその緒を介して胎児にも深刻な影響を与えかねない」山田正彦氏(元農水大臣)

  5. 5

    VOL.22 マルチ食品の「ミネラル豚汁」が被災地にやって来た!【不思議食品・観察記】

提携サイト

くらしとバイオプラザ21
食の安全と安心を科学する会
FSIN

TOP
CLOSE