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Vol.5 反グリホサート運動の「深層B」=不安ビジネス・政治【日本・世界の「反グリホサート運動」の真相】
AGRI FACT執筆者でもある農業ジャーナリストの浅川芳裕氏が「日本・世界の反グリホサート運動の真相」と題し、オンライン講演を行った(2021年6月20日「食のリスクコミュニケーション・フォーラム2021」第2回)。その中で、浅川氏はグリホサート問題の中心地IARC(国際がん研究機関)の内部と背後で蠢く人たちの腐敗ビジネスに鋭く言及し、食の不安を煽って農業や社会を歪める構造の正体を浮き彫りにした。今回は、Vol.5『反グリホサート運動の「深層B」=不安ビジネス・政治』をお届けする。(Vol.4はこちら)
反グリホサート運動の「深層B」
=不安ビジネス・政治
乳幼児を育てる母親をターゲットに全米12州に99のビルボード、55の巨大野外広告
上図の広告はすべてゼン・ハニーカット女史が代表を務めるMOMS ACROSS AMERICAというアメリカの民間団体のものです。マムズ・アクロス・アメリカの不安ビジネスをそのまま輸入しているのが日本の団体で、ゼン・ハニーカット氏を日本に招待して全国ツアーの講演会を開催し、書籍を翻訳して食品販売などに誘導していきます。
米国のラウンドアップ裁判は国内外の政治利用も活性化せせる契機となっていて、例えば下図の左側の日本の新聞記事には、「国会議員が毛髪検査で(グリホサート)検出7割」と報道されました。これは量の概念(用量作用関係の原則)のない、しかも毛髪から正常に排出されたものを測っているだけの測定結果なのですが、このミスリードが政治家の「食の安全を考える議員連盟(現・食の安全・安心議員連盟)」に利用されています。この政治団体と結びついたのが検査ビジネスの「デトックス・プロジェクト・ジャパン」で、二つが連合して日本国民の不安を煽って票を稼ぐ構図になっているのです。
「深層A」訴訟ビジネスと連動する「深層B」不安ビジネス・政治
こうした手法は日本のオリジナルではなく、2016年にドイツの緑の党が、緑の党は尿検査でしたが、圧倒的多数のドイツ人がグリホサートに汚染されているというミスリードを誘うためのキャンペーンを緑の党の議員が同様の形で行ったことのパクリです。