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原告勝訴の裁判がカリフォルニア州ばかりなのには何か理由があるのですか?

食の疑問に答えます

A カリフォルニア州は、アメリカ国内でも突出した超リベラル州であり、過激な消費者運動や環境保護運動のメッカ。そして、裁判に影響を与える州の司法長官から裁判官まで、多数派がリベラルな民主党員ばかりです。とくに社会主義的な民主党左派となれば、バイエルといったグローバル企業に対する偏見も大きい。

超リベラル州カリフォルニアでのラウンドアップ規制の強化はIARCのグループ2A入り発表と反GM(遺伝子組み換え作物)団体の声に押されたものであり、GM作物の栽培がほとんど行われていないため規制をしても大きな問題は起こらず、むしろ政治家の評判が高まると次の選挙を意識したポピュリズムで判断した結果ともいえます。

そのため農業が盛んな中西部等の保守州生産者からすれば、カリフォルニア州はトンデモ規制や判決が生まれる場所という悪評が定まっている州なのです。ラウンドアップがないと農業が成り立たない中西部等の米国穀物地帯では、政治家や政府は反GM団体の要求に応えていませんし、訴訟も急増してはいないのです。

そして、敗訴したラウンドアップ裁判に対する米国農業界の反応は、「農業界ではよく知られているように、カリフォルニア州が新たな訴訟に手を出したら最後、全米の農業が破滅の道をたどることになる」 と断固闘う決意を固めて実践している状況です。

ただし、訴訟件数の増加とともに、ラウンドアップ訴訟を裁く裁判所はカリフォルニア州以外にも広がることになり、次の裁判はミズーリ州セントルイス市で行われることになっています。ここはモンサント社の本社が置かれていた土地です。裁判はすでに出されている判決(判例)を参考にするので、残念ながら裁判の場所が変わったからといって判決が大きく変わることはないと考えられます。

回答者

唐木英明(公益財団法人食の安全・安心財団理事長、東京大学名誉教授)
浅川芳裕(農業ジャーナリスト、農業技術通信社顧問)

編集担当

清水泰(有限会社ハッピー・ビジネス代表取締役 ライター)

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