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プロ農家による提言「近代農業を悪者扱いする言説に民意が流されると、持続可能な食料生産の仕組みが崩壊しかねない」

農家のホンネ

唐木氏との対談で理解したグリホサート問題の裏側

農家としての仕事を始めて10年近く経ちますが、メディアやネットにあふれる農業の情報は、現場の実態や事実と乖離していることが、まだまだ多いと感じています。グリホサート(除草剤ラウンドアップの有効成分)問題はその最たる例の一つです。

今回、農業法人トゥリーアンドノーフチャンネルで、AGRI FACT執筆者でもある唐木英明氏と対談しました。食の安全・安心を専門とする唐木氏との対談を通じてグリホサート裁判の真実や、政治家や医師までもがなぜミスリーディングをするのか、唐木氏のファクトに基づいた分かりやすい解説で、その裏側を正しく理解することができました。まず20分ほどのダイジェスト版をご覧ください。なお後日、約60分におよぶ完全版を公開します(編集部註:完全版(フルバージョン)も公開されました)。

危機感を煽り、不安を醸成する話しほど、多くの人の注目を集め、拡散されていきます。これは「人間の、危険情報を重視するという本能から来ている」という唐木氏の言葉を聞き、グリホサート問題に限らず、昨今のワクチン問題然り、様々なエセ科学・陰謀論に通じる話だと思いました。ネットでの発信が誰でも容易にできるようになった現代だからこそ、強い危機感を覚えます。

間違い言説を野放しにすると農業の技術革新や持続可能性に支障をきたす可能性も

残念ながら、私たち農家の間でも、エセ科学を信望し、近代農業を悪者扱いすることで、自分の農法・農作物の正当性を訴える農家もいます。

しかしこうした言説を野放しにしておけば、民意が間違った方向に誘導される可能性もあります。結果的に、農業が本来持つ技術革新や持続可能性、ひいては地球規模の環境保全が後退してしまう可能性もあります。

プロ農家は現場の真実を言語化し発信することが重要

これからのプロ農家は、農産物を作るだけでなく、社会に対して現場の真実を言語化し、発信する能力も身に付けて行かなければならないと、改めて痛感しました。そうした問題意識で制作した今回の動画を一人でも多くの方に観ていただきたいと切に思います。

筆者

徳本修一
1975年鳥取県生まれ。トゥリーアンドノーフ株式会社代表取締役。
2012年、異業種より農業参入。現在は鳥取県鳥取市の55haの農地で、米・小豆の生産を行う。科学的視点を重視し、IT・テクノロジーを積極活用しながら、中長期的には1000ha以上の集積を目論む。
巷にあふれる農業の情報は、現場の実態や事実と乖離していることが多いと常々感じ、2020年3月YouTubeチャンネル『農業法人トゥリーアンドノーフチャンネル』を立ち上げ、現場に立つプロ農家目線でのリアルな情報を定期的に発信。現在は、月間50万再生を超える農業メディアとして成長、多くの農業関係者より支持を得ている。

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