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「妊婦のグリホサート摂取量は想像以上に多く、自閉症など発達障害との関係が取りざたされている」という主張を『週刊新潮(2020年4月30日号)』で読みました。根拠はありますか。

食の疑問に答えます

科学的な根拠はありません。質問にある主張は、間違った3段論法をもとにしたもので、致命的な誤りがあります。


から引用します。

セネフ博士とサムセル博士の論文で用いられた方法には、大きな間違いがあります。彼らは「三段論法に基づいた演繹的推論」を使いグリホサートの危険性を主張していますが、この論法は、2つ以上の命題から結論が引き出されたものです。セネフ博士とサムセル博士の最初の命題は、一般的にグリホサートの特性に関するものです。2番目の命題は、人の生理学に関するものです。これらの命題から、グリホサートと、さまざまな異なる病気の原因との間に因果的な関連があると主張していますが、これまで見てきたとおり、その三段論法は間違っているのです。

間違った三段論法の例1:
命題①:グリホサートはマンガンと結合して、マンガンを減らす。
命題②:精子の運動性はマンガンに影響を受けている。
結論:グリホサートは不妊と先天異常の原因である。

また、この推論を発展させて、グリホサートがマンガンと結合することが、自閉症、アルツハイマー病、パーキンソン症、不安障害、骨粗しょう症、炎症性腸疾患、腎結石、骨軟化症、胆汁うっ滞、甲状腺機能障害、および不妊症の原因だと言及している。さらに最近になって、まったく同じ推論を用いて、グリホサートとマンガンの結合が、米国での自閉症の増加の間に因果関係があると主張している。

しかしグリホサートと、それらの慢性疾患との間の因果関係を立証する科学的な研究は存在していない。

(中略)

要するに、新たな科学的な実験に基づいた結論ではなく、現存するさまざまな論文から「グリホサートに関連するもの」と「人の病気に関連するもの」を拾い出し、三段論法を用いて科学的にはあり得ない推論を主張しているに過ぎません。また彼らが科学誌に掲載した論文はメスネイジ博士とアントニオ博士により検証され、否定されました。つまり科学的に認められていない主張です。

※週刊新潮ファクトチェックより抜粋・再編集

『週刊新潮』(2020年4月30日号)掲載 グリホサート/ラウンドアップに関する記述を徹底検証3

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