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【動画】「除草剤の有効成分に関するIARCのおかしな判断」唐木英明氏(東京大学名誉教授)@24/11/22 AGRI FACT特別セミナー03
2024年11月22日に開催されたAGRI FACT編集部主催の【特別セミナー】「グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題 ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~」。当日登壇した唐木英明氏(東京大学名誉教授・食の信頼向上をめざす会代表)の基調解説動画を編集し、その要諦を公開していく。第3回は、グリホサート(ラウンドアップ)に関するIARCのおかしな判断についてです。
唐木 次の問題は、グリホサートですね。これ真ん中にありますグループ2Aの問題ですけれども、ここに入っているものは紫外線とか熱い飲み物とか赤身肉、これは牛肉、豚肉ですね。なんかも同じ分類に入っているというものです。
このグリホサートには長い長い歴史があるわけですけれども、このグリホサートの問題の経緯だけを簡単にお話しますと、2001年にアメリカの農業者健康調査AHSというのがありまして、実際に農薬を散布している農業者の健康を長年にわたって調べている。で、そういう人たちがどのぐらいがんになったのかというのを研究をしている。そして、その結果からグリホサートとがんに関係があるのかどうかを調べているわけですけれども、2001年、2005年、「がんとは関係ない」という発表しています。
ところが2015年にIARCがグリホサートをグループ2Aに分類した。そして、AHSの結果があるじゃないかというクレームに対しては、IARCは、AHSの調査は期間が短すぎるからというようなことを言っている。でも2018年になると、AHSはもっと長い調査期間から、「確かに発がん性がない」ということをその後発表しているということがあります。ですから、多くの毒性学者はグリホサートに発がん性があるなんていうことは信じてないんですけれども、IARCだけがおかしな判定をしたというふうに言えると思います。
これは、AHSが何年にどんな論文を出したのかというようなことを書いてあるわけですけれども、IARCの判定に対して世界中の食品安全機関、規制機関がこれはおかしいというふうに反論を出した。これだけのたくさんの反論が世界中から出たというのは他にあまりない。ということで、IARCがいかにおかしなことをやっているのかということが、これでも裏付けられるだろうと思います。
登壇者唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授) |