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不安社会に「答えを出しましょう」と言ってくる人たち – グリホサートの真実とは2【完全版】(vol.12)

食と農のウワサ

生産現場のリアルな声を発信する日本有数の農業チャンネル「トゥリーアンドノーフ」を運営する徳本修一氏が、グリホサート問題の歴史的経緯から背後で蠢くビジネス人脈、科学的評価や対立の解決法まで、食の安全安心の権威・唐木英明氏に聞きまくった1時間。グリホサートの真実とは2【完全版】をAGRI FACT用に再構成してここにお届けする!(vol.12)

不安社会に「答えを出しましょう」と言ってくる人たち

徳本 いくら我々がラウンドアップの有効成分グリホサートにリスクはないと言っても、科学を無視したゼロリスク理論で「リスクがある」と主張されると議論にならないんですね。なぜ農薬、グリホサートと聞いただけでこういう事実とは違う情報を人々は信じ、その影響を受けてしまうのでしょうか。

唐木 これは人間の、あるいは動物の本能なんですね。動物の本能はどういうものなのかというと、「我々は危険情報を絶対に重視します」。なぜなら危険情報を無視したら、死んでしまうからです。だから絶対に無視してはいけない。現代社会には、見えない不安がたくさんあります。例えば化学物質、残留農薬は目に見えませんよね。添加物も見えないし、放射性物質も見えない。見えないけれどもそこに存在していて、体に入ったら何か悪いことを起こす。そういう見えない不安が無数にあるのが現代社会というわけです。リスク管理の最大の課題:環境問題この見えない不安を見えるようにしてくれるのは実は科学者しかいません。そしてそれを規制してくれるのは政治と行政しかないわけです。ところが国民・住民が科学者は信用できるか、行政を信用できるかと考えると、ますます不安が大きくなってしまう。こういう不安社会を我々は生きているのです。

本能と不安社会の中で不安がどんどん大きくなってくるときに、「答えを出しましょう」というのが環境団体です。環境団体はみなさんが不安に感じる「農薬や添加物は全部禁止しましょう」、最近であれば「ワクチンはやめたほうがいいですよ」などと、わかりやすい敵を作り、自分たちは「みなさんの味方ですよ」という顔をして、大手の慈善団体から寄付を集めたり、あるいは一般の人たちから寄付を集めて成り立っているのです。こうした団体と協力・連携しているのがオーガニック産業です。そこに一部の科学者やメディアが一緒になって旗を振っています。この動きはSDGsなどを考えれば、悪いことばかりではありません。正しい方向の環境保護は絶対必要です。しかし、中にはフェイクニュースで儲けている団体がいるわけです。環境団体やオーガニック産業、一部の科学者やメディアがお金儲けのためにフェイクニュースを流している。それが世界の環境問題の現実です。

グリホサートの真実とは<2> -「食の安全」の世界的権威に聞いてみた!〜完全版

 

【グリホサートの真実とは2】記事一覧

プロフィール

唐木英明(公益財団法人食の安全・安心財団理事長 東京大学名誉教授)
徳本修一(トゥリーアンドノーフ株式会社代表取締役)

 

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