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発達障害児・者を支えるグループに仲間入りしてみた:16杯目【渕上桂樹の“農家BAR Naya”カウンタートーク】

農家Bar NaYa カウンタートーク

前回のコラムでは、国会議員のトンデモを追っていたのをきっかけに発達障害児・者を支えるグループの代表からメッセージが届き、定例会に招待してもらったお話をしました。今回は農業から少し離れますが、会に参加するようになってからの感想を述べたいと思います。

発達障害児・者のグループに参加

私がグループに参加しようと思った理由は、発達障害のことをよく知らなかったからです。

「発達障害の大きな要因は食(遺伝子組換え作物や農薬)」という国会議員のトンデモ発言に、農業関係の立場から「そんな根拠ないでしょ?」「そもそも発達障害は防ぐべきものなの?」というツッコミは入れていましたが、実際の当事者たちがどのような生きづらさを感じているのか、どのようなサポートを必要としているのか、などをよく理解していませんでした。

今回いただいた招待は、もしかしたら新しいことを学ぶきっかけになるかもしれない……。

というわけで参加してみました。

定例会といってもみんなで集まって近況報告をしたり、子育てや就労などの情報交換をしたり、お互いのあるある話に笑ってみたりと、参加しやすい雰囲気でした。

関係者が必要なのはオーガニック給食などではない

当事者やその親たちが必要としているのは、オーガニック給食でも農薬の規制でもなく、学校や職場など、周りの理解と配慮でした。

たとえば、ある職場で働く発達障害の男性は音に非常に敏感で機械の音が気になって仕事が手につかないそうですが、耳栓の着用を認めてもらったところ、非常に楽に仕事ができるようになったそうです。

また、ある学校に通う女の子は、翌日持ってくる持ち物などを口頭で指示されても頭に入って来なかったそうですが、カードなどで見せられるとすんなり理解できるようになったそうです。

私は、母親たちの話を聞きながら自分のことを考えました。

私にももちろん得意不得意があり、周りの理解と協力があってこの社会に参加しています。

会での話を聞いているうちに、発達障害への理解が進んだ社会は、当事者だけでなく私にとっても生きやすい社会に違いないと考えるようになりました。

もちろん、自分だけではありません。

もしかしたらこの先、発達障害の人と一緒に仕事をするかもしれませんし、協力相手になるかもしれません。

同じ職場で働くなら、どんな環境を作ればいいだろう?

仕事のパートナーとして協力するなら、どんな理解が必要になるだろう?

そういうことを考えていたら、これからもこの会に参加することが仕事の助けになるかもしれないと感じました。

母親たちがお互いのエピソードを話し合い、「こんな風に配慮してもらったらうまくいったよ」という話にみんなで喜んだり、「こういうところが大変」という話にみんなで共感したりする姿はとても静かで穏やかに見えました。

その様子は、「発達障害の子供たちのために」と大きな看板を掲げ、「農薬が悪い」「遺伝子組換え作物が悪い」と社会運動に躍起になる活動家や政治家とは対照的に思えました。

私は、「発達障害の原因は食」「給食をオーガニックに」という活動をどう思うか?と質問してみました。

すると、返ってきた答えは「不確かな情報に振り回されるのはうんざり」「食べ物が原因だと言われると自分たちのせいだと言われているようで悲しい」といったものでした。

中には「政治や商売などに利用されるのは腹立たしい」「自分たちに寄り添っているようには思えない」という率直な意見もありました。

事実、“発達障害の多くの要因は食”発言で物議を醸した政治家や、“給食をオーガニックに”の活動家グループはこの会には来たことがないか、1回だけ来てその後は来なくなってしまったそうです。

トンデモハンターを招待してくれた意味を考える

私は、当事者の母親たちがトンデモハンターを招待してくれた意味を考えるようになりました。

そして、当事者の想いを政治家や活動家が無視するなら、新聞が伝えないなら、トンデモハンターがその想いに応え、声を届けると決めたのです。

筆者

渕上桂樹(ふちかみけいじゅ)(農家BAR NaYa/ナヤラジオ)

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