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1.育種の歴史は人類の歴史 – 人は生きるために植物の遺伝子の変異を利用してきた【私たちのそして世界の食生活を支える育種技術】
Contents
“植物” から “作物” へ
トマトの野生種
果実は1cm程度(玉川大学 農学部生物資源学科 田淵 俊人教授提供)
野菜の祖先は…
・小さい
・美味しくない
・毒がある
・すぐに実が落ちる
・いっせいに芽が出ない
現在のトマト
(玉川大学 農学部生物資源学科 田淵 俊人教授提供)
野菜は…
・大きい
・美味しい
・毒を気にせず食べられる
・すぐに実が落ちない
・いっせいに芽が出る
同じ野菜でも多くの品種=多様性がある
トマトの“多様性”
形、味、香り、調理方法、 栽培地域、時期、流通しやすさなど、 消費者・生産者のニーズに合わせて 多くの品種が作られてきた。
長い歴史を経て、今ある野菜が作られてきた
美味しいおコメの代表コシヒカリができるまでの歴史
(注)品種名の下の括弧書きは、育成地。写真は農研機構作物研究所 竹内義信氏、安東郁男氏提供
遺伝子を書き換える?
遺伝子は生命の設計図のようなもの。
私たち生物は数万の設計図を元に、身体が作られ、 体内で様々な反応が起きて、生命を維持しています。
その設計図の一部を少し書き換えることで、
形や色などの外見
病気や害虫への抵抗性
含まれる成分 など
性質が変わることがあります。
これが自然現象として起こっているのです。
DNAの模式図
突然変異を利用した育種
突然変異で起こる遺伝子の書き換わりの例
例:イネの籾の落ちやすさ(脱粒性)
写真:タキイ種苗株式会社より
イネのDNAの一部分の配列
ジャポニカ型
ATTTCA
インディカ型
ATTGCA
この1文字だけで、粒が落ちやすい/落ちにくいの違いがでる。
例:受粉しなくても実がなるナス (単為結果)
写真:タキイ種苗株式会社より
植物ホルモンの合成に関係する遺伝子の一部 (約4,600文字分)が無くなると、 受粉しなくても実が大きくなるようになる。
出典:くらしとバイオプラザ21(一部再編集)