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Vol.9 “腐敗ビジネス”のキーパーソン IARC特別顧問 クリストファー・ポワティエ氏【日本・世界の「反グリホサート運動」の真相】
AGRI FACT執筆者でもある農業ジャーナリストの浅川芳裕氏が「日本・世界の反グリホサート運動の真相」と題し、オンライン講演を行った(2021年6月20日「食のリスクコミュニケーション・フォーラム2021」第2回)。その中で、浅川氏はグリホサート問題の中心地IARC(国際がん研究機関)の内部と背後で蠢く人たちの腐敗ビジネスに鋭く言及し、食の不安を煽って農業や社会を歪める構造の正体を浮き彫りにした。今回は、Vol.9『“腐敗ビジネス”のキーパーソン IARC特別顧問 クリストファー・ポワティエ氏』をお届けする。(Vol.8はこちら)
“腐敗ビジネス”のキーパーソンIARC特別顧問
クリストファー・ポワティエ氏
ここまでは序の口で、次の人物こそがラウンドアップ裁判・グリホサート問題のキーマンとなるIARC特別顧問のクリストファー・ポワティエ氏です。彼はグリホサート作業部会のメンバーと弁護士による、ある意味“証拠作り”チームのリーダーといえる存在です。彼はグループ2Aの発表と同じ週に、先述した弁護士事務所と訴訟コンサルタント契約を結んでいます。しかもグリホサートが、彼が作業部会のメンバーに入る2カ月前に二箇所の弁護士事務所とコンサルタント契約に向けてやり取りをしていました。
発表後にラウンドアップ裁判の訴訟準備を始めて、おそらく発がん性ありの評価は自分たちが作ったわけですから、発がん性の根拠となる研究やロジックは熟知しています。IARCの資産をうまく活用して訴訟関連文書の準備を進め、判明しているだけで、コンサル報酬として最低16万ドル(約1700万円)を受領している。なお報酬を支払ううえで「訴訟コンサルであると外部に漏らさないこと」という条件が付いています。
反グリホサート運動の「深層C=国連下部機関(IARC)の腐敗ビジネス
ポワティエ氏の略歴ですが、1960年代から反農薬キャンペーンのNGO「環境防衛基金」に所属。しかし毒性学者でも、グリホサートの研究にも1回も携わったことはありません。
IARCではグリホサートだけでなく、携帯電話の放射線、ディーゼル車の排気ガス、ベンゼンまで「新たな」発がん性物質対象を定める際のご意見番で、発がん性物質とコンサルタント業を結びつけてきた人物です。さらに訴訟コンサルタントとして、IARCの調査結果に対して異議を唱えるBfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)やEFSA(欧州食品安全委員会)など規制機関への反論業務に従事し、グリホサートに反対するEUのほぼすべての保健大臣や環境大臣と面談するなどして密に連携を取ってきました。
ポワティエ氏の他にもIARCのブレア氏やチャールズ・ジェイムソン氏、マシュー・ロス氏、ピーター・インファンテ氏ら、グリホサート評価委員会の作業部会に入っていたメンバーの中で原告の弁護士事務所から一定程度高額な報酬を受け取っていたのが5人、わかっている範囲でいます。
ここまで登場した人物をはめていくとこういうふうにわかります。IARCの人物が反GM農薬団体にいたり、またさらに同じ人物が訴訟コンサルタントをしていたりというように、共闘したり利益相反があったり攻撃をしたりという形で、専門家と活動家(アクティビスト)と弁護士の複合体が形成されています。そこに不安ビジネス、不安政治が紐付いてビジネスが活性化する“腐敗の構造”ができていることが判明しました。
反グリホサート運動の「深層」人物相関図=国際機関下部組織(IARC)をダシにした腐敗ビジネス