会員募集 ご寄付 お問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています

アイダホでそんな騒ぎは起きていませんよ【コラム】

コラム・マンガ

私は、アイダホ州で穀物農業に37年間従事しています。この一帯は丘陵の続く農業地帯で、主な作物は小麦や大麦、豆類、ひよこ豆、レンズマメ、ナタネなどです。個人的には、ラウンドアップはすでに37年間使っています。

この間、最もラウンドアップに接触機会が多い状況のなか、まったく健康に差し支えなく、あるいは土壌に悪影響も発生せず、非常に有用なツールとして、なくてはならない存在となっています。この30年間、内科にかかったことはありません。

コミュニティーのなかでは、ラウンドアップの安全性に関する危惧というのはほとんどありません。ラベルに従って使用すれば安全であり、とくに不耕起農業を行なううえではなくてはならないものとして使用されています。

フェイスブック上でもいろいろ風説が出ていますが、非常に偏った議論が多いように思われます。とくに皮膚病にかかった鹿の写真をアップし、これがラウンドアップを使った結果だとして、まったくなんの裏付けもなく、人々に恐怖心を植え付けているような投稿もあり、意図的、あるいはバイアスのかかった投稿としか思えません。

科学的というより、政治的(あるいはポピュリズム)判断に近いものが席巻するようになってはならないと思っています。繰り返しますが、ラウンドアップは非常に有用なファーミング・ツールであり、不耕起農業を取り入れ、土壌侵食を防ぐうえでも、これにとって代わるものはいまのところ出てきません。

『農業経営者』2019年7月号 No.280特集「さらにラウンドアップの風評を正す」から転載

筆者

村井誠一(米国アイダホ州で穀物類を栽培する農業経営者)

  会員を募集しています 会員を募集しています

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


検索

Facebook

ランキング(月間)

  1. 1

    第50回 有機農業と排外主義①【分断をこえてゆけ 有機と慣行の向こう側】

  2. 2

    日本の農薬使用に関して言われていることの嘘 – 本当に日本の農産物が農薬まみれか徹底検証する

  3. 3

    【特別セミナー】グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題  ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~

  4. 4

    【誤り】検証内容「豚のへその緒に(ラウンドアップの主成分グリホサートが)蓄積するということは、人間にも起こりうることを意味する。もし妊娠している女性が摂取すれば、へその緒を介して胎児にも深刻な影響を与えかねない」山田正彦氏(元農水大臣)

  5. 5

    VOL.22 マルチ食品の「ミネラル豚汁」が被災地にやって来た!【不思議食品・観察記】

提携サイト

くらしとバイオプラザ21
食の安全と安心を科学する会
FSIN

TOP
CLOSE