寄付 問い合わせ AGRI FACTとは
本サイトはAGRI FACTに賛同する個人・団体から寄付・委託を受け、農業技術通信社が制作・編集・運営しています

【動画】農薬の残留基準値はどのように決められる?

食と農のウワサ

渕上 農薬の残留基準値はどのように決められるものなのでしょうか?

唐木 何種類もの実験動物を使って、何十種類の試験をやって、安全な量を決めます。そのときに、特に注視するのは、発がん性がないか。それから体に蓄積をしないか。もししたら、これは全部排除します。

渕上 でもそれは、人間ではなくて動物実験ということなんですよね?

唐木 そうですね。ですから、実験動物と人間の違いを「10分の1」、それから人間でもお年寄りから子どもの違いを「10分の1」と考えて、「100分の1の量を一生の間、毎日食べても安全な量」*(ADI/一日摂取許容量)というふうに決めています。

渕上 さらに100分の1に設定して、一生食べ続けても大丈夫なようにしている?

唐木 その通りですね。

【結論】何種類もの実験動物を使い、何十種類の試験を行って、安全な量を決める

*ADIとは、食品添加物や農薬などの物質について、毎日、一生涯とり続けても健康への悪影響が出ないと考えられる1日あたりの摂取量。一日あたりの量を、体重1kg あたりで示します(単位は mg/kg/day)。例えば、ADIが 0.02mg/kg/day とは、体重 1kgあたり毎日0.02mgまでなら、一生涯摂取しても大丈夫であろうということ。
ADIは、それぞれの物質についてラットやマウスを用いて行った動物実験の結果から求める。まず、最も感受性の高い実験動物に対して有害影響の生じない量、すなわち無毒性量(NOAEL)を求める。さらに、その数値に安全係数をかけて、ADIを求める。通常は、安全係数を100分の1とする。これは、動物と人との種の違いを考慮して10分の1、さらに個人差を考慮して10分の1を乗じたもの。化学物質によっては、1000分の1とすることもある。

参考

 

回答者

唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授)

聞き手

渕上桂樹(AGRI FACTコラムニスト、農家BAR NaYa/ナヤラジオ)

 

関連記事

検索

Facebook

ランキング(月間)

  1. 1

    他人事じゃない、秋田県のお米をターゲットにしたいじめ問題:49杯目【渕上桂樹の“農家BAR Naya”カウンタートーク】

  2. 2

    日本の農薬使用に関して言われていることの嘘 – 本当に日本の農産物が農薬まみれか徹底検証する

  3. 3

    VOL.22 マルチ食品の「ミネラル豚汁」が被災地にやって来た!【不思議食品・観察記】

  4. 4

    第50回 有機農業と排外主義①【分断をこえてゆけ 有機と慣行の向こう側】

  5. 5

    Vol.6 養鶏農家が「国産鶏肉と外国産鶏肉」問題を語る【農家の本音 〇〇(問題)を語る】

提携サイト

くらしとバイオプラザ21
食の安全と安心を科学する会
FSIN

TOP
CLOSE