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【動画】「ラウンドアップ裁判 IARC招待委員と弁護士事務所の癒着」唐木英明氏(東京大学名誉教授)@24/11/22 AGRI FACT特別セミナー05
2024年11月22日に開催されたAGRI FACT編集部主催の【特別セミナー】「グリホサート評価を巡るIARC(国連・国際がん研究機関)の不正問題 ~ジャンク研究と科学的誤報への対処法~」。当日登壇した唐木英明氏(東京大学名誉教授・食の信頼向上をめざす会代表)の基調解説動画を編集し、その要諦を公開していく。第5回は、「ラウンドアップ裁判 IARC招待委員と弁護士事務所の癒着」についてです。
唐木 このセラリーニさんの論文とか、IARCの評価が元になって、ラウンドアップは発がん性があるんじゃないかというその評判が世界中に広がってしまった。で、IARCの判定が出たその数日後に、アメリカの法律事務所がラウンドアップを使ったがん患者を募集して、集団訴訟を始めました。
この写真が私がアメリカ行ったときに、撮った写真ですけれども、テレビでコマーシャルをやって、こういうことをやったんです。
「あなたはラウンドアップを使ったことがありますか?」と。それでがんになったんだったら、すぐに訴訟を始めましょうと、いうことを始めたわけです。
なぜIARCの発表後、こんなにタイミングが良く、アメリカの法律事務所がその訴訟を始めたのかということの裏側には、IARCの招待員だったポルティエさんという人がいて、その人がいろいろ工作をしていたということがわかってきています。
ここにはそのラウンドアップのその後の経緯が書いてありますが、セラリーニ論文があり、IARCの判定があり、そして集団訴訟が始まり、そしてラウンドアップを作っていたモンサントはバイエルに買収をされた。その後裁判が始まり、最初の裁判は、バイエル・モンサントが次々に負けて、大変な金額の懲罰的賠償金を取られた。
2020年に、バイエル社は1兆円で和解をしたんですが、和解をした人とそれから個別の裁判をしている人たちがまだいると。昨日(2024年11月21日)の時点で、バイエル・モンサントは22件の裁判のうち7件で負けて、15件では勝ったということで、最近はたぶん、ケランドさんの記事とかいろんなもので、陪審裁判の陪審員も本当のことがわかってきたのかなということですが、まだ裁判が続いていると。そんな状況があります。
第6回に続く
登壇者唐木英明(食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授) |